●おじさんはパヒュームに夢中●
昨日からパヒューム部屋で鳴りっ放し。
マニラでこんだけパヒューム聞いている人間は僕だけじゃないだろうか。
聴くところによると,日本全国のおじさん連中にも
パヒュームファンが多いらしい。
YMO世代だからだと。
確かにそうかもしれない。
僕はYMO自体はさほど好きではなかったけど,
80年頃のテクノ,例えばDEVOなんかが大好きだったし,
ジャーマンテクノ?のノイとかも好んで聞いていた。
パンクのセックスピストルもこの頃だし,
ラップが生まれたのこの頃だ。
少し前だと,プログレシブロックも全盛だった。
今でも,アヴァンギャルドな音楽はたくさんあるのだが,
今と違うのは,その当時はアヴァンギャルドな音楽が
一般的に流行していた,ということ。
当時の国民的コミック,江口寿史の『ストップひばり君』にも
ニューウェイブに影響を受けた部分がたくさん出てくる。
当時,変態音楽といわれたスロビンググリッスルというグループのバッジを
女子高生が得意げにつけていた,なんていう時代だったのだ。
(最も,TGは,今聴くとただのポップエレクトニックバンド)
ただ,パヒュームの魅力はそれだけじゃない。
もし,パヒュームがおじさんたちをひきつけているとしたら,
父性的なものを呼び起こすかわいらしさが
彼女たちのパフォーマンスにはあるんじゃないか,
と勝手に思っている。
●『ポリリズム』について●
それは,ともかく,
今回は,前回の続き。
『ポリリズム』という考え方は,随分昔からある。
特に,アフリカのリズム先進地域では,
日常的にポリリズムが身についているという。
しかし,ヨーロッパや東アジア,特に日本では
ほとんどリズムの概念が発達しなかった。
ロックやジャズが欧米諸国や日本で流行るにつれ,
ようやく,リズムが我々にも定着し始める。
ポリリズムが一般的になったのは,
多分70年代。
日本ならユーミンとか山下達郎,
外国だと,スティーリーダンあたりが有名か。
ポリリズムは,洗練されわかりやすい形で
ポップスに入り込んでいる。
例えば,なんでもいいから,Jpopを聴いてい見る。
アイドルがいい。
モー娘とか,ジャニーズとか。
そして,楽器をパートごとに聴いてみるのだ。
すると,案外楽器は重ならないことに気付くだろう。
これが,現代POPSに取り入れられているポリリズムだ。
リズムが重ならないように,
リズムの隙間を埋めるようにリズムを練りこみ,
色彩感を添えていく,
それは,現代POPSが普通にやっていることだ。
(僕がポリリズムを勘違いしているのかもしれないが)
●『ポリリズム』のアレンジが凄いわけ●
(以下の部分は書き直した。)
で,perfumeの『ポリリズム』。
曲全体がポリリズムである。
それは,JPOPの文法に沿っている。
しかし,
間奏部分はポップスとしては異例なほど,
リズムが複雑だ。
まず,基本はバズドラに相当する音の四つ打。
ところが,ボーカルは『ポリリズム』を繰り返す。
四つ打ちが5回繰り返す(5拍)うちに,ポリリズムが2回繰り返される.
四つ打ちには,リズムのアクセントがない。
それに対して,『ポリリズム』には明らかに『ポ』にアクセントがある。
何しろ,『ポ』には卓上で相当手が加えられている。
『ポ』がサウンドの中で浮き出るように計算されているのだ。
これで,5拍子になったような錯覚に陥る。
ところが,間奏全体として眺めると,
1小節4拍の16小節という基本が守られている。
更に,この2連目の『ポリリズム』の『ポ』がリズムの裏に入るため,
リズムがややこしくなる。
いわば,5拍2連?というわけだ。
話はそれだけじゃない。
『ポリリズム』のシーケンスに入るときに,
ベース音も前面に出てくる。
これが曲者。
『ボーカル』
36回繰り返すうち(15拍)に,
1020回ベースが鳴り響く。
15拍10連15拍20連=3拍4連というわけだ.
驚くことに,ボーカルと,バズドラムと,ベース3つとも
リズムが違う。
繰り返すと,
バズドラ 4拍子
ボーカル 5拍2連
ベース 3拍4連
これは,マニアだ。
ポップスというジャンルということ関係なく,
相当レベルの高いリズムを刻んでいる。
そして,『ポリリズム』の次は『リズム』の繰り返し。
この部分は,ベースとの関係が,3拍2連となり,比較的安定する。
リズムのテンションが下がるので,聞きやすくなる。
『ポリループ』でまたもや複雑なリズム関係になり,
『ループ』で3拍2連となったあと,
『プ』の部分だけリピートしていく。
これが,ベースのリズムの裏に入り込んでいるので,
のりの良さを生むとともに,
ベースとリズムがシンクロしたことによって,
解決への期待感が生まれる。
そして,シンセが優しい音を鳴らしてカタルシス。
・・・
これをポップスに持ち込むなんざ,狂気の沙汰。
すぐにカラオケが出るだろうから,挑戦してみればよくわかる。
ベースに引きずられると,『ポリリズム』って言えないから。
『ポリリズム』はポップスとしては異例なほど,前衛的といっていい。
間奏部分は,イングベイが速引きするより,レベルが高い。
なぜ,プロジューサーがこんな高度な技を,アイドル曲にもちこんだか。
一番は,彼の趣味。そうしたかったから。
これはクリエイターにとっては大切なこと。
2番目は,これが話題を呼ぶ勘が働いたから。
多分,日々の活動で手ごたえを感じていたんじゃないのか。
彼女らにはミリオンセラーを期待されていなかった。
むしろ,テクノポップアイドルとして,マニア受けしたほうが,
彼女たちの認知度を上げることができる,と思ったかもしれない。
3番目は,テンションの高いパートを使用することで,
アイドルたちを対比的に盛り上げる計算があったから。
いくら,1番や2番のように思ったとしても,
基本的には,アイドルたちを目立たすことが出来なければ,
それはプロヂューサーのオナニーになってしまう。
この点については,前回にも触れたように,
成功していると思う。
なお,間奏部分については,また書き直すかも。
誰か,スコアをネットにあげてくれないかな。
⇒混乱してしまうので,リズム表作ってみた。
暇で,照れるよ。
D:バズドラム調
B:ベース
S:ハイハット,頭だし。2小節ごと。
H:ハイハット。32分休符のようなための後に打ち鳴らされる。
また,コーラスのようなエフェクトがかけてある。
小節は便宜的につけただけ。
ボーカル,ベース,ドラムのリズムは対等だから,
小節,という考え方は西欧音楽的考えなのかも。
なお,正しいかどうか全く自信がないので,
また,作り直すかもしれない。